私は歯の健康を保持して快適な毎日を送ってもらうために仕事をしていますが、どうしても歯の保存が難しい場合があります。
歯自体が割れてしまっている時や、虫歯が深くて治療が困難な時などは、将来起こるであろうトラブルをお話した上で、抜歯をお勧めせざるを得ません。
今痛くないから、支障がないからと歯を無理に残せば、その歯を支えている歯槽骨にダメージを与えます。
例えば義歯を入れる時には歯槽骨が残っているほど安定しますし、インプラントにしたくても歯槽骨がなければできません。
治療の選択については、メリット、デメリットをよく聞いた上で判断して下さいね。
「歯並びがガタガタでも、見た目は気になりません。」という声を聞きますが、実は重要な事は見た目よりもっと他のところにあります。
奥歯が正しい位置にあることによって咬み合わせが安定しますし、それはあごの運動をガイドする働きのある前歯も同じです。
また、ガタガタの歯並びではきちんと歯磨きをすることも難しく、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
このように正しい位置に歯があることで、人間の歯は長く機能することが出来ます。
長生きされている方に八重歯をほとんどみることがないことからも、歯の位置の大切さはよくわかります。
その場しのぎではなく、長く健康を維持できる治療をお勧めします。
先月の続きです。
たとえば患者さんの側でブロッキングがおきている場合、歯周病であることを説明しても「虫歯でないのなら安心です」「今日は削ってもらえないのですか」となります。
虫歯なら大変だけれど歯周病ならたいしたことはない、という先入観があるのですね。
歯周病の治療は、患者さんの協力なしでは絶対と言っていいほど進みません。
このように言葉が相手に届いていかない場合は、急いで治療に入らずに、まずは時間をかけて人間関係をしっかり構築することが大切です。
ブロッキングが取り除かれて風通しがよくなれば、結果的に患者さんの要望も早くかなうことになります。
ブロッキングという言葉をご存知でしょうか。
相手の言葉が聴けない状態をいいます。
例えば問診をする時に、この症状ならこれと決めつけてしまうと、患者さんの他の訴えが耳に入らなくなってしまいます。
これを防ぐため、患者さんのお話を伺う時、私は傾聴モードに入ることを心掛けます。
対して患者さん側では“歯が痛い=虫歯”“歯を治す=削る”という方程式が頭にあると、これがブロッキングになり、歯周病、知覚過敏、かみあわせ等、実際に虫歯以外の痛みである時の説明や、その治療方法への協力が困難になります。
続きはまた次回に述べます。
今年の夏は暑かったですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は自費診療についてのお話です。
一般的に保険診療では使える材料や方法が決められています。
例えば歯の詰め物だと、貴金属やセラミックを使うことは自費診療になります。
この場合、適合性が良い、見た目が白くて綺麗という材料自体の特性に加えて、型取りの時に精密なゴムの材料を使う、技工士さんは拡大鏡を使って正確に詰め物を作成する、といった高度な作成過程を経て出来上がって来ます。
そうして長く使えるものが出来れば、たびたび再治療を施すよりも結果的に費用も安くなります。
まずは自分にとって、どの材料や方法が最適なのか、歯医者さんでよく聞いて理解した上で決めることが大切です。
歯医者さんへの通院は時間がかかるのがイヤ、という声をよく聞きます。
例えば小さな虫歯の治療では回数は少なくて済みますが、虫歯が大きくなって根の治療になると回数は増えます。
さらに根の再治療や、歯周病の治療、かみ合わせやその他の原因が複雑に絡んだ知覚過敏の治療など、慢性疾患と呼ばれる状態になると時間がかかります。
そして口腔内の疾患の多くが慢性疾患です。
高血圧などの病気であれば、生活習慣を改めないといけないことは周知されていますが、歯科の疾患については、まだその認識が低いというのが現実です。
私達は患者さんにお口の病気の特性をしっかりお話して、一緒に改善に向けて取り組んでいかなくてはなりません。
6月は虫歯予防週間がありましたね。
学校検診に行くと、虫歯と同時に目に付くのが歯並びと噛み合わせの異常です。
まず歯並びの不整では、歯が凸凹に並んでいたり、重なってはえていたり、八重歯も典型的な例ですね。
当然歯ブラシが当たりにくいので、虫歯や歯周病にかかるリスクがグンと上がります。
次に上下の噛み合わせでは、通常上の歯が下の歯よりも前に出ていますが、全体が前後逆になっていたり、1本2本が逆になっていたり、上下の前歯がかみ合わずに大きくすきまが開いて見えていたり。
治療の開始時期は色々ですが、成人するまでにきれいな歯並びを手に入れておくことはとても大切です。
あまり馴染みのない呼び方だと思いますが、クリニカルコーディネーターとは医院と患者さんを結ぶ存在です。
初診時のカウンセリングで患者さんの悩みをききだしたり、治療途中の不安を解消したり、治療の選択肢を紹介したり、あらゆる場面で患者さんに寄り添い、かつ先生や衛生士さんに患者さんの気持ちや情報を伝えます。
コミュニケーション能力に優れた専任のコーディネーターがいてくれるだけで、患者さんはとても安心ですし、医院側としても患者さんのニーズを深く理解することができます。
まだ始まったばかりのシステムで普及はしていませんが、これからどんどんその役割は増えていきそうです。
歯科技工士さんは、歯の修復物である詰め物やかぶせ物(技工物)を作ってくれる大切な方です。
歯科医院に技工士さんがいる場合と、いない場合は技工所さんに技工物の作成を依頼するということになります。
技工士さんが良い技工物を作れるように、歯科医師はちゃんと歯の形を整え、正確に型取りをすることを心がけています。
技工物がうまく患者さんに入らない時は、どこでエラーが出たのかを考えて修正します。
間違っても技工士さんのせいにしてはいけません。
私たちが、きちっとした技工物を患者さんに提供するために最も大切なことは、技工士さんとの協力関係なのです。
日常診療していて感じるのが、患者さんの想いとの開きです。
例えば、ここに違和感があると言われても、所見が全くない場合もあります。
そのような時、実際に今はどうもなっていないとお伝えしても、患者さんにはなかなか伝わりません。
まずは患者さんの想いを受け止め、その上でお話していくことが大切です。
そしてさらに、痛みがでる可能性を一つずつ一緒に確認していきます。
かみ合わせ、歯周病、虫歯、くいしばりや歯ぎしり、神経のない歯であれば再治療が必要かどうか。時間をかけないと診断できないケースもあります。
中には時間とともに、何もしなくても症状が消える場合もあります。
お互いによく理解して協力しあえる関係を、患者さんと築きたいものです。
新年明けましておめでとうございます。
今年も心に残る文章を皆さんに届けたいと思います。
今回から歯科医院で働くスタッフにスポットを当てていきます。
まずは歯科衛生士さん。
患者さんのお口の中を良い状態にするために歯科医師は、診断、修復処置、外科処置、等を行いますが、それらの処置も、口腔内の衛生状態が悪ければ意味をなしません。
歯科衛生士さんは国家資格をもった口腔内衛生管理のプロです。
歯ブラシの仕方を的確に指導したり、歯垢・歯石を除去したり、修復が終わった後もいい状態が保てるようにメンテナンスをする、これらの処置の主役は歯科医師ではなく衛生士さんです。
治療のすべてのステージにおいてやさしくあなたに寄り添ってくれる衛生士さんは、歯科医院においてなくてはならない大切な存在です。
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(祝祭日がある週の木曜日は診療しております)