患者さんの多くは、下の前歯の裏や歯と歯の間の歯石に気付いて、取ってほしいと来院されます。
でも実は自分では気付かない歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの中にこそ、悪さをする古い歯石やバイ菌が付いています。
そのため歯周ポケットの深さや、中に歯石がどれくらい付いているのかをあらかじめ調べた上で取っていきます。また歯ぐきより上の汚れを毎日しっかり除去することで歯周ポケット内の状態も変わっていきますから、効果的なブラッシングも練習していただきます。
穴があいてから虫歯を見つけるのではなく、穴があく前に白濁した初期虫歯を見つけ、予防処置をし、歯みがきや食習慣の指導をするのが、これからの歯科医院の役割です。こうした予防型の診療を実現するには、患者さんの定期的なメインテナンスを請け負う、歯科衛生士の存在が大変重要となります。
※矢野歯科医院では、メインテナンスの主役である来春専門学校卒業予定の歯科衛生士さんを募集しています。しっかりとした教育システムにより、仕事の楽しさ、やりがいを感じながら成長できます。やさしい院長や先輩衛生士と一緒に予防のプロを目指しませんか。まずはお気軽にご連絡ください。
草食動物である馬の奥歯は、草をすりつぶすために臼状の形をしています。肉食である虎の奥歯は、肉を引き裂くことができるように尖っています。
雑食である我々の歯は、正中から2本を切歯と呼び、食物を適量かみ切ります。3本目にある犬歯は、肉食動物では相手に致命傷を与える重要な歯で、ヒトの犬歯もその名残で少し尖っています。
犬歯より奥にある歯は臼歯といいます。切歯と犬歯でかみ切った食物を、細かくすりつぶして飲み込みやすくする役目があります。それぞれの歯が一本でも欠けるとうまく摂食できず、正しいかみ合わせが損なわれ、姿勢などにも影響してきます。
高齢患者さんへの取り組みは、若い人のそれよりも視野を広く持つことが必要です。口腔乾燥や口腔機能の低下、全身状態や栄養状態は、さまざまなリスクと関連します。
また、将来通院出来なくなった時のことなどあらゆる想定をし、理想論だけではなく、その時に最善と思われる治療方針を考え、提案していきます。プロとして患者さんの生活環境を把握し、寄り添い、その方に合った解決法を考えなければなりません。
通り一遍の、たとえば歯周ポケットの数字の改善等ではなく、その方の生活をいかに快適に維持できるかがゴールになります。
歯磨きの癖は、性格やライフスタイル、歯への意識の違いによって人それぞれです。
そしてお口の要注意ポイントは年齢とともに変化するので、今の自分に合った歯ブラシを使うことが大切です。
歯ブラシには歯科専売品といって一般のお店では販売していないものがありますが、近年ラインナップがより充実し、色々な選択が出来るようになりました。
例えば忙しい朝にはそこそこ磨ける大判の歯ブラシで、夜は小さく操作性のよいものでゆっくりすみずみまで磨くなど、一日のうちで使い分けるという方法もあります。歯医者さんは皆さんのお口の中をよく知っていますので、あなたに合った歯科医院専売の歯ブラシを選んで処方できます。
無意識に歯をキリキリとこすり合わせたりグッと強くかみしめたり。こうしたブラキシズムが、歯を摩耗させたり治療を破損したりするなど、重大な悪さをすることは以前にも書きました。
まず気付きこそ改善の第一歩ですので、以下をチェックしてください。
これらに当てはまる方は御相談ください。次回はブラキシズムの被害を食い止めるために歯科医院でできる対処法を紹介します。
まずは状態を歯医者さんで調べることです。歯周ポケットの深さ、歯槽骨の状態をレントゲンで確認、被せなど修理した歯の状態、歯ぐきの腫れや減りを診査してもらいます。
歯周病の進行具合が把握できれば、歯医者さんでは歯ぐきの中の歯石やプラークをとってくれます。歯ブラシを含めたホームケアの方法もあなたにあった提案をしてくれるでしょう。
その後歯ぐきの治りを再検査して、もう一度歯石とりをするのか、外科をして環境をよくするのかを決めていきます。再度の検査で安定していれば、歯周病の暴発を防ぐためにメインテナンスでみていくというのが治療の流れになります。
優位感覚とは、視覚・触覚・聴覚のうち、どの感覚を通して物事を認識しやすいかという視点です。
私たちが治療の説明をする時もこれを意識して、例えば視覚優位の方には映像やイラストを多く使ったり、触覚優位の方には模型を用意して触ってもらいながら説明したり、聴覚優位の方にはたくさん会話をしたりと伝え方を工夫します。
患者さんは治療中にお口の中の様子を見ることが出来ないのですから、理解してもらいやすい説明の方法を話し手は考えなければいけません。
長いお付き合いの中でその方の優位感覚が分かれば、より伝えやすくなりますね。
前歯の自費治療かぶせといえば、金属の土台にセラミックを焼き付けたメタルボンドクラウンが主流でした。ただ歯ぐきの際で金属色が黒っぽく見えることもあり、金属を使わないオールセラミッククラウンが開発されましたが、美しいかわりに割れてしまうことがありました。
現在は土台部分を従来のアルミナからジルコニアやe-max(商品名)等の硬いものに変えた、新素材のオールセラミッククラウンが誕生しています。審美治療をご希望の方にデメリットの少ない選択肢を提案できるようになったことは嬉しい限りです。
平成23年8月に制定された歯科口腔保健法をご存知でしょうか。過去1年間に歯科健康診査を受診した方は34%(平成21年)。
これを平成34年度には65%にしようという目標値があります。「定期的な歯科検診の受診は、成人期の歯周病予防に有効なものであり、その結果として中高年期の歯の早期喪失も抑制できることが期待できる。20歳代からの歯科検診の受診は、成人期以降の口腔管理の基盤的行動であると考えられる。」とされ、国の施策として定期メインテナンスを受けることが推奨されています。
この数字が実現できれば、いつも言っている「歯医者さんは痛くない時に行くところ」という概念がより広まるのではないでしょうか。
介護現場では、患者さんの食状況や、食べることに対するご本人や家族の希望、口腔ケアの状況などをみて、できることを考えていかねばなりません。
その方にとってのベストを考えた結果、理想論以外の治療方法を選択する場合もあります。重度の口腔乾燥を伴う方が多いため、口腔ケアは粘膜の保湿のために液状やゲル状の保湿剤を使いながら、軟ブラシ・スポンジブラシ・ガーゼ等で口腔内の付着物を除去していきます。
蒸しタオルを使ったり、唾液腺・顔・頸部のマッサージをしたり、舌・口腔体操などのリハビリを行うことも必要です。そして歯科医・歯科衛生士と医師・看護師・言語聴覚士など多職種の連携が重要になります。
大阪では特に好まれる“飴ちゃん”。年齢とともに唾液が減ると、ついなめてしまうという方も多いようです。
急に虫歯が増えた方に聞くと「ノンシュガーのノド飴をなめています」とのこと。気を付けないといけないのは、ノンシュガーの表示とは糖類0.5%未満ということでゼロではないということ。
飴に含まれる有機酸(オレンジ、梅などの酸)が歯を溶かしてしまうこと。唾液が減っていれば酸を洗い流す力も弱いので特に注意が必要です。買う時は「特定保健用食品」や「トゥースフレンドリー協会認定食品」のマークを目印にするとよいでしょう。
早や一月も終わろうとしています。今年もどうぞよろしくお願いします。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | ○ | ○ | ○ | ─ | ○ | ○ | ─ |
午後 | ○ | ○ | ○ | ─ | ○ | ◯ | ─ |
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(祝祭日がある週の木曜日は診療しております)