歯科治療は山登りに似ています。お口の中が大きく崩壊している場合はまず、咬めるようになりたい、綺麗にしたいなどの目標を、話し合って明確にします。
(どの山に登るか)ゴールを目指して、患者さんと医院は相談しながら歩んでいくことになります。(どのルートをどんな方法で登るか)患者さんはお家でのケアや習慣を見直し、継続していく努力が必要ですし、私たちはプロとしてアドバイスや修復を行なっていきます。
道半ばで予期せぬことが起こった時も、信頼関係を維持しながら一緒に頂上を目指していくのです。今年も色々な出会いがありました。来年もどうぞよろしくお願い致します。
大きな虫歯ができていることを伝えると、「痛くないのに?」と懐疑的におっしゃる方がいます。どうやら虫歯になると、必ずひどい痛みがでるとイメージされているようです。痛みの感じ方は個人差がありますし、虫歯でも痛くない時がたくさんあります。
また知覚過敏が原因で痛みがでていることを伝えると、「虫歯でないならいいです」とおっしゃる方もいます。歯が痛い=虫歯となっているのでしょう。
歯の痛みは虫歯がなくても、噛み合わせや歯根露出による知覚過敏、根尖部の病変など色々な原因で起こります。これまでの考え方からシフトする必要がありますね。
歯周病の治療は、まず初診時の診断後、衛生士さんによるホームケアの指導、歯石とりをします。そうして状況を改善させてから再度診断し、目安として4ミリ以上の歯周ポケットが残っている部位は、外科処置の対象となります。
深いポケット内を徹底的に掃除し、周りの骨の形をきれいにし、ポケットをなくして、磨きやすい環境を作っていくことが目的です。
外科手術はできれば誰しも経験したくないものですが、良い環境を作ることによって歯の寿命が延びることが実感できます。恐がらずに先生からの提案に耳を傾けてくださいね。長い目で見てきっとよくなりますよ。
はじめて入れ歯を入れる時は、歯科医も「この方は入れ歯に慣れることができるかな・・」と心配します。入れ歯の特徴である、取り外ししないといけないこと、厚みがあること、症例によっては物がはさまりやすいこと等を事前にお話しても、実際に使ってみないと実感できないことがありますし、個人の許容力や症例の難易度も違うからです。
歯科医側が90点以上の義歯ができたと感じても、患者さんにはなかなか受け入れてもらえないこともあります。気長に少しずつ使えるように慣れていくことと、定期的な調整が必須です。
受付助手さんが仕事をしていく上で大切なことは何でしょうか。まずは医院の社会的役割や理念を理解すること、医院の目指すビジョンを共有すること、その上で自らの役割や仕事を理解し、自立したスタッフとして成長を続けること。
昨今の募集広告によくある、上辺の条件のよさだけを書いたものには少し違和感を感じます。
要は経験者、未経験者に関わらず、プロとしての姿勢を持てる方と一緒に仕事がしたい。この仕事の楽しさ、面白さを知ってもらい、社会人として成長していく姿を見られることは、院長としてもうれしい限りです。あなたの応募をお待ちしています。
募集専用電話072-694-1295まで。詳しい条件はHPにて。
インプラントに関する様々な広告や報道を目にする機会が多いと思います。情報が溢れている現代では、一つ一つを鵜呑みにするのではなく、少し離れた位置から客観的に判断する力が必要です。
インプラント治療自体は歴史もあり予知性も確立された治療であることは確かですし、そのメリットは計り知れません。ただし症例により難易度や予後は変わってきます。
要するに処置前の診断が重要なのです。今はCT撮影した画像を処理してのシミュレーションも可能ですので、より分かりやすく説明してもらえます。
メリット・デメリットを提示してもらって、不安な点がなくなるまで担当の先生とディスカッションしてくださいね。
高血圧や糖尿病が、生活習慣を変えないと治らないことは認知されています。しかし虫歯や歯周病も、食生活、歯ブラシ、生活リズムが原因で引き起こされる慢性病である、ということへの認知度は高いとは言えません。
私たちは診療の中、何気ない会話で日常生活での改善を提案できる点はないかを探ろうとします。でも実は「なぜ日常生活のことまで聞かれるのだろう」と患者さんに思われて、会話が途絶えたりしないかと不安になることも多々あるのです・・。
お口の病気は生活習慣病であると世間で広く認知されれば、患者さんとのコミュニケーションもよりとりやすくなると思います。
アメリカのデータで、10年後に失う歯の本数を調べたものがあります。それによると歯周病の診断のみの方3.6本、歯周病の治療のみの方2.2本、治療とメンテナンスを受けた方1.1本となっています。
このデータから「治療を受けて、メンテナンスをきっちり受ければ歯のもちが3倍よくなりますよ」と伝えることができるでしょう。
前回のコラムで紹介した酸蝕ですが、オーバーブラッシング(磨き過ぎ)が重なると、歯が溶けてしまうスピードも早くなります。歯科医院でのメンテナンス内で術者磨き(プロに磨いてもらう)を経験すると、心地よいうえに適当な圧とはどれくらいかが実感できるのでとても効果的です。
日常で出来る酸蝕症の予防ですが、酸性の強い(PHの低い)飲み物を飲む場合、最初に当たる前歯がやられることが多く、ちびちび飲みはNG、口にためるのもNG、理想はストローを奥まで入れて(歯になるべく当たらないように)一気に飲むということになります。
またサラダドレッシングにおける酢や柑橘系果物に関しても、チーズやヨーグルトを入れるとリスクは下がると言われています。酸により下がったお口のPHを元に戻してくれるのは唾液ですので、唾液が多い少ないも酸蝕の進行に大いに関係してきます。
唾液量は簡単に歯医者さんで調べられますので、参考にしてください。(HPに各飲料のPHを載せておきます)
酸は口腔内のPHを下げて歯を溶かします。これを酸蝕と言い、要注意なのが柑橘系果物やサラダにかけるお酢、酸性水での洗口です(一日2個以上柑橘系果物を食べる方のリスクは確実に上がるというデータがあります)。
酸蝕の経過としてまず歯の表面のエナメル質の艶がなくなり、進行すると歯がクレーター状に凹み、修復された金属があると酸でピカピカになります。
定期検診では、患者さんへのヒアリングや歯の変化を見逃さないようにチェックしていくのですが、健康志向の高まりから、お家でも色々工夫されている熱心な方が多くなってきていますので、相談しながら正しい情報をお伝えしていくことになります。
次号では具体的な対策をお話しします。お楽しみに。
正しい定期検診を広めていく必要性を感じます。定期検診を、単に虫歯がないか目でみてもらい、気になる歯石だけをとってもらう機会と考えてはいませんか。
人間ドックと同じように歯科の定期検診でも、まず状態を精査することが必要です。目で見えないところにある虫歯はレントゲン写真で、歯周病の目安になる歯周ポケットも、専用の道具で測定します。
噛み合わせの問題点をチェックし、丁寧に問診して日常生活での改善点を調べ、唾液検査でリスクを把握し、今後の疾病予防に役立てます。
定期検診は、今現在問題がないかを調べ、以後の問題が起こらないようにすることを目的に、色々な視点から診ていくものなのです。
市で行っている1歳半や3歳半の検診や、学校での検診、会社単位での検診などが、集団検診といわれるものです。
集団検診は一人一人にかけられる時間や器具の問題から、スクリーニング検査の一面を持ちます。それぞれの個人に合わせた、詳しく正確な検診という意味では、やはりリスクの高い部位や状態をしっかり把握してくれている、かかりつけ歯科医院での検診に勝るものはありません。
集団検診で問題があった方は歯科受診へのきっかけに、問題がなかった方はかかりつけ医院によるメンテナンスでよい状態を維持すべく、引き続き頑張りましょう。
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