先日ある患者さんが、「前の先生にインプラント治療を勧められて断ったので、その医院には行きにくい」と来院されました。
自分自身に置き換えて考えても、その方にとって良い治療だと思って勧めるのですが、お互いの真意が掴みきれていなかったり、伝え方伝わり方の問題があったりして、認識の差が生まれることはあります。
そんな時は、お話した内容に関するプリントをお渡しして、一旦お家に帰って考えて頂く時間をとるのも良い方法かもしれません。
その治療を選択した時のメリット、デメリットが分かれば、安心して決めることができますね。
一般的に9割の人が歯ぎしりをしていると言われています(ちなみに歯ぎしりは、音がしない人が大半です)。人は咬むことによって精神的ストレスを緩和させることができるので、このストレス社会では歯ぎしりも一役買っているといえるでしょう。
ただし、無意識で行う歯ぎしりは正常時の6倍もの力がかかるので、歯が割れたり、ペンキを塗った針金を曲げるとペンキが剥がれるように、歯も根元が剥がれたりします。根元が剥がれるとしみますし、中は軟らかいので虫歯になりやすいのです。
歯ぎしりがあるかないかは歯のすり減り具合をみれば一目瞭然ですので、歯医者さんでチェックを受けることをお勧めします。次回はその対処法である認知行動療法に迫ります。
レントゲン撮影は歯科治療の中でもっとも頻繁に行われる検査です。虫歯の進行範囲や、肉眼では見ることのできない歯根や骨の状態を調べて診断します。
一般的には全体が一覧できるパノラマ写真と、2~3本の歯が細かいところまで分かるデンタル写真があります。昨今原発事故による不安から、安全性について皆さん心配されているのではないでしょうか。
歯科のレントゲン写真は照射線量が極めて少なく、同一部位に同時期に約600回以上もの撮影をしない限り、身体には影響しないと言われています。
歯のX線写真で障害が起きたという報告も今までありません。診断には必要不可欠なX線診査、皆さんどうぞ安心して受けてくださいね。
毎日行うブラッシングですが、磨き足りない場合(アンダーブラッシング)と磨き過ぎの場合(オーバーブラッシング)があります。
磨き足りないと、ご存知のように虫歯になったり、歯を支える骨が歯周病でなくなったります。逆に磨き過ぎの場合は、ブラシが強く継続して当たることで歯肉が減ります。
歯科医院でメンテナンスを受けている方は、健康意識も高い頑張り屋さんが多く、オーバーブラッシングになっていることも多いので、私たちは気付きと正しいブラシ圧を伝えます。
皆さんが好んで使用している歯ブラシや歯間ブラシ、磨きぐせを考慮した上での注意点を、歯科医院で聞くことができると思いますよ。
伝え方の重要性をいつも痛感しています。例えばブラッシングが不十分なことを相手に伝える時、①~が磨けてないです②~が苦手のようです③~を正せば完璧です等、患者さんのお口の状態やその方との関係性などを考えて言葉を使います。
また、「歯ブラシはどれくらいされていますか?」と聞くと、ある方には「磨けていないから聞かれている」と伝わってしまうこともあるでしょう。
この場合も「歯ブラシにはどれくらい時間がかかりますか?」と言葉を変えるなど、同じことを伝えたり、質問したりするにもいろんな言葉があります。気づきを持って頂けるように、効果的な質問や言葉使いを心がけねばなりません。
学校健診に行くと、目につくのは子供の歯肉炎です。歯肉炎とは歯肉が炎症を起こしている状態で、歯と歯の間の歯肉がプクっと赤く腫れています。
原因はプラークという細菌の塊で、虫歯の原因にもなるため、しっかりとした家庭でのケアが必要です。子ども本人の気付きも必要ですが、おうちのかたの気付きが必ず必要で、診療の中でも低学年のお子さんへの指導は、イコール保護者の方ヘの指導となります。
虫歯は見た目に穴があいていて認識しやすいですが、歯肉炎に対する認知度はまだまだ低い現状がありますね。歯肉の縁が赤く腫れているのを見つけたら、改善する方法を歯医者さんと一緒に考えていきましょう。
メインテナンスで歯科医院に通院されている意識の高い方が当院にもたくさんいらっしゃいます。
私たち歯科医の仕事は、感染の除去と力のコントロールです。
分かりやすく言うと、虫歯や歯周病や根の病気など細菌によって起こる感染を除去して、咬む力をうまくコントロールしながら咀嚼機能を回復するために、被せ物や詰め物で修復するということになります。
メインテナンスは、良い状態を長く保つためにも必要であることが分かっている方からは、ここは磨けていましたか?
被せ物は大丈夫ですか?
などのするどい質問がきますので、こちらも毎回的確にチェックしていく真剣勝負が続くのです。
先日、1年ぶりにおみえになった患者さんの診察をしました。
以前から悪かった歯に痛みが出て、抜歯するしかない状態でした。
お話していると、患者さんから「先生は怒っているのですか」と言われました。
怒っているつもりがまったくなかった私は驚きを感じたのですが、口調、声のトーン、声の大きさ、表情やしぐさ等、私のどこかに原因があり、患者さんに怒っていると感じさせてしまったことを反省しました。
受け取り方は相手の方によって違います。
伝え方、伝わり方を十分に考えてお話をしないといけないことを改めて感じた出来事でした。
フレッシュな新入社員を迎える春です。
人と人とのつながりはコミュニケーションから始まります。
新人をうまく成長の軌道に乗せるのも院長の仕事。
しっかり見て、できることが増えれば一緒に喜んであげ、うまくいかない時に「次にどうすればうまくいくのか」を考えられるように、考え方の基盤を作ってあげなければなりません。
もちろん患者さんに対してもそうです。定期メンテナンスの中で、できなかったフロスができるようになれば一緒に喜び、もし虫歯ができてしまったときは「どうすれば虫歯にならないようにできるか」を一緒に考えます。
二人三脚で歩んでいく姿勢と、相手への思いやりが何事にも大切ですね。
ドライマウス(口腔乾燥症)は、口が乾燥する症状のことです。
何らかの原因(糖尿病、シェーグレン症候群、薬の副作用、ストレスなど)で唾液が減ってしまうために起こるので、歯を含めた口の中のケアが専門の私たち歯科医師と、内科、眼科、精神科などが連携をとって対処していく病気です。
歯科では、まず口腔内の診査と問診。
唾液量の検査を行います。
唾液分泌の低下を認めれば大学病院でシェーグレン症候群の検査も必要です。
また、口呼吸やかみ合わせの不具合でうまく噛めなくて唾液減少を起こしている場合は、口を閉じる練習や虫歯・噛みあわせの治療を、基礎疾患(糖尿病等)の治療と並行して行います。
皆さん"舌が乾燥して食事が美味しくない"なんてことありませんか?
歯科においても、裸眼では見えないところを拡大して見ることで、精度の高い治療をする方法がクローズアップされています。
歯科用マイクロスコープ(顕微鏡)では2倍~20倍もの拡大が可能です。
また大きく見えるだけでなく、視野をより明るく照らすライトがついていることや、処置内容を記録して患者さんにも見て頂けるなど、多くのメリットがあります。
かぶせ物の適合や虫歯の取り残し、複雑な根の治療等、使えるケースは非常に多くあります。
海外での治療はマイクロなしでは考えられないほどです。
日本でもこれから広く普及して、患者さんにその恩恵を感じて欲しいと思っています。
歯~とふる読者の方は大丈夫と思いますが、歯医者さんに行かない人と話をすると、歯医者は痛くなったら行くところ。
歯の掃除は血が出るし痛い。
1本抜けてもどうってことない。
歯槽膿漏は特定の人の病気。
といった意見がでてきます。
歯の掃除をしてもらった時、何も分らないままだと「何でこんなに出血させるの?しかも痛いし・・」という感想を持つ人もいるのではないでしょうか。
しかし、「それは歯茎が炎症を起こしているためで、炎症がなくなれば出血しないし、痛みもほとんどなくなる、だからブラッシングと掃除が大切なのです。」と聞くとどうでしょう。
たったこれだけのことが理解できるだけで歯医者さんに通うことの必要性が分かるのです。
じっくり患者さんに話す機会の大切さを痛感しますね。
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